古事記の創世神話



2013.12.21

(伊勢神宮にお参りに向かう途中、五十鈴川を橋の上から望む)
今年は神宮式年遷宮のあった年であったせいか、伊勢神宮へのお参りが大変ブームだったようです。
そのせいか先日、たまたま寄った本屋さんに「古事記」関係の本がいっぱい置いてあったので読んでみたところ、一番最初の部分が、今までに書いてきた混沌とした世の始まりのイメージと似通っていてとても興味深かったので、ここに紹介させていただこうと思います。
「古事記」というのは、ご存知のように日本の最も古い神話などが書かれた書ですが、その(「序」より抜粋)となっていた部分です。漢和辞典が手元にないので、残念ながら漢字の意味などを紐解いてみることができないのですが、この文書を自分なりにじっくり考えなおしてみると、様々な意味に取れて面白いのです。
夫(ソ)レ、混元既(スデ)に凝(コ)リテ、気象未(イマ)ダアラワレズ。
名モ無クワザも無シ。誰レカ其(ソ)の形ヲ知ラム。
然(シカ)レドモ、乾坤(ケンコン)初メテ分レテ、参神造化ノ首(ハジメ)と作(ナ)リ、
陰陽ココに開ケテ、二霊群品ノ祖(オヤ)ト為リキ。
この左側に、三浦佑介という人の訳があって、次のように訳されていました。
「そもそも、混沌とした大元はすでに凝り固まりながら、生命の兆しはいまだ顕れていない。
名もなく、目に見える動きもないままでは、誰が、その形を認識することなどできたであろうか。
しかしながらついに、天と地が初めて分かれ、三柱の神が万物創世の先駆けとして姿を見せた。
ついで男と女が分かれて、イザナミノミコトとイザナキノミコトの二柱の神があらゆる生き物の祖(おや)となった。」
(「古事記 神話を旅する」と題したこの本はカラー版の軽い感じの読み物ですが、古事記の解釈については2013年の現時点において最も有力であると考えられる説に基づいて作成したということです。)
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この古事記の創世神話、ヘリオポリスの創世神話ともよく似ているのです。
神話によると、かつて世界は天もなく地もなく、真っ暗闇で、見渡す限り形のない混沌とした海だった。
最初に、神はつばを吐くことで(一説には自慰行為で)大気の神シュウと湿気の神テフヌトを産み出した。
この二神から大地の神ゲブと天の女神ヌトが生まれたが、両者は初め互いに重なって横たわっていた。
やげてゲブとヌトは結ばれ、ヌトはゲブの子を身ごもる。
それに嫉妬した父親のシュウは、ヌトを頭上に持ち上げて二人を引き離した。
こうして、天は上に、大地は下に、その間には大気と湿気が存在するようになった。
ヌトが産んだ子供たちは太陽と星々になって、ヌトの身体の上に散らばったという。

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