イースター島に伝わる謎の『 洪水伝説 』



2016.06.11
以前、世界の「へそ」をつなぐネットワークと「天を見る目」でイースター島のことについて触れましたが、そのイースター島に伝わる伝説が書いてある本が手元にあったので、ここにその部分を紹介しようと思います。
ロシアの作家で学者でもあるという A・コンドラトフという人の「ノアの大洪水」という本で、世界に残る洪水伝説について書いています。
・・・・・・ポリネシアおよびオセアニアの一番東にあたるイースター島には、これまでの「洪水伝説」とはまったく異質の洪水伝説が伝わっている。
これはもともとイースター島創造の物語だが、やはり大異変とともに洪水がおきたことになっている。
トール・ヘイエルダールがこの島で発見した手帳から、私が訳したこの伝説の一部をつぎに紹介しよう。
(写真はこちらより)
若者テア・ワカがいった。
「われわれの土地は、昔、大きな、ひじょうに大きな国だった」
クウクウがたずねた。
「いったいどうして国が小さくなったんだね」
テア・ワカは答えた。
「ウオケが自分の杖を落としたからだ。
ウオケは、杖をオヒロという場所に落とした。
高波がおこり、国が小さくなった。
それでテ・ピト・オ・テ・ヘヌア(世界のへそ)と呼ばれるようになった。
ウオケの杖は、プク・プヒプヒの山にぶつかって折れた。」
テア・ワカとクウクウが話をした場所は、コ・テ・トモンゴ=オ=テア・ワカ(テア・ワカが上陸した場所の意味)と呼ばれている。
その後アリキ(首長)のホツ・マツアがその岸に上陸し、島に住み着いた。
クウクウが彼にいった。
「昔はこの土地は大きかった」
テア・ワカの友人はいった。
「土地が沈んだのだ」
それからテア・ワカがいった。
「ここはコ・テ・トモンゴ=オ=テア・ワカというんだ」
首長のホツ・マツアがたずねた。
「なぜ沈んだのか」
「それをやったのはウオケで、土地を沈めたのだ。
そのためこの国は、テ・ピト・オ・テ・ヘヌア(世界のへそ)と呼ばれるようになった。
ウオケの杖が大きかったときに、土地は奈落に落ちてしまった。
プク・プヒプヒは、ウオケの杖が折れたところだ。」
首長ホツ・マツアがテア・ワカにいった。
「友よ、それをやったのはウオケの杖ではなく、マケ・マケ神の稲妻だ。」
こうして首長のホツ・マツアは島に住むようになった。
1963年、イースター島で調査を行ったフランスの研究者フランシス・マジェルは、古老ア・ウレ・アウビリ・ポロツから、これによく似た伝説を聞いている。
それによると「イースター島はずっと大きかったが、島民が失策をしたので、ウオケが島をゆすり、テコを使ってこわしてしまった」という。
「大いなる地」を破壊したウオケという名の神は、イースター島の伝説だけでなく、マルキーズ諸島の天地創造の神話にも出てくる。
テア・ワカは、最初の王ホツ・マツアが現れる前に「世界のへそ」イースター島に最初に住みついた人間の一人で、クウクウは、新しい土地を探すためにホツ・マツアがはるばる故郷からつかわした偵察の一人であった。
ある伝説によると、ホツ・マツアが故郷の島を捨てざるをえなくなったのは、その地が沈みはじめたからだという。
つまり謎の島、イースター島の伝説がいってるのは、「世界的な洪水」ではなく、太平洋にあった大陸の消滅のことである。
いっぽうアラスカからフエゴ島にいたる南北アメリカ大陸の原住民に伝わる神話や伝説の中には、細かい点こそ違っているが、その昔あった大地が水没し、少数の選ばれた人たちが助かったという筋の洪水伝説がみられる。
(以上はA・コンドラトフ著 「ノアの大洪水」 p・64~p・66より抜粋)
以下はイースター島の位置 (Wikipediaイースター島)より

関連記事・・・一夜にして沈んだ大陸、 「アトランティス伝説」、「ノアの大洪水」など
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ロシアの作家で学者でもあるという A・コンドラトフという人の「ノアの大洪水」という本で、世界に残る洪水伝説について書いています。
・・・・・・ポリネシアおよびオセアニアの一番東にあたるイースター島には、これまでの「洪水伝説」とはまったく異質の洪水伝説が伝わっている。
これはもともとイースター島創造の物語だが、やはり大異変とともに洪水がおきたことになっている。
トール・ヘイエルダールがこの島で発見した手帳から、私が訳したこの伝説の一部をつぎに紹介しよう。

若者テア・ワカがいった。
「われわれの土地は、昔、大きな、ひじょうに大きな国だった」
クウクウがたずねた。
「いったいどうして国が小さくなったんだね」
テア・ワカは答えた。
「ウオケが自分の杖を落としたからだ。
ウオケは、杖をオヒロという場所に落とした。
高波がおこり、国が小さくなった。
それでテ・ピト・オ・テ・ヘヌア(世界のへそ)と呼ばれるようになった。
ウオケの杖は、プク・プヒプヒの山にぶつかって折れた。」
テア・ワカとクウクウが話をした場所は、コ・テ・トモンゴ=オ=テア・ワカ(テア・ワカが上陸した場所の意味)と呼ばれている。
その後アリキ(首長)のホツ・マツアがその岸に上陸し、島に住み着いた。
クウクウが彼にいった。
「昔はこの土地は大きかった」
テア・ワカの友人はいった。
「土地が沈んだのだ」
それからテア・ワカがいった。
「ここはコ・テ・トモンゴ=オ=テア・ワカというんだ」
首長のホツ・マツアがたずねた。
「なぜ沈んだのか」
「それをやったのはウオケで、土地を沈めたのだ。
そのためこの国は、テ・ピト・オ・テ・ヘヌア(世界のへそ)と呼ばれるようになった。
ウオケの杖が大きかったときに、土地は奈落に落ちてしまった。
プク・プヒプヒは、ウオケの杖が折れたところだ。」
首長ホツ・マツアがテア・ワカにいった。
「友よ、それをやったのはウオケの杖ではなく、マケ・マケ神の稲妻だ。」
こうして首長のホツ・マツアは島に住むようになった。
1963年、イースター島で調査を行ったフランスの研究者フランシス・マジェルは、古老ア・ウレ・アウビリ・ポロツから、これによく似た伝説を聞いている。
それによると「イースター島はずっと大きかったが、島民が失策をしたので、ウオケが島をゆすり、テコを使ってこわしてしまった」という。
「大いなる地」を破壊したウオケという名の神は、イースター島の伝説だけでなく、マルキーズ諸島の天地創造の神話にも出てくる。
テア・ワカは、最初の王ホツ・マツアが現れる前に「世界のへそ」イースター島に最初に住みついた人間の一人で、クウクウは、新しい土地を探すためにホツ・マツアがはるばる故郷からつかわした偵察の一人であった。
ある伝説によると、ホツ・マツアが故郷の島を捨てざるをえなくなったのは、その地が沈みはじめたからだという。
つまり謎の島、イースター島の伝説がいってるのは、「世界的な洪水」ではなく、太平洋にあった大陸の消滅のことである。
いっぽうアラスカからフエゴ島にいたる南北アメリカ大陸の原住民に伝わる神話や伝説の中には、細かい点こそ違っているが、その昔あった大地が水没し、少数の選ばれた人たちが助かったという筋の洪水伝説がみられる。
(以上はA・コンドラトフ著 「ノアの大洪水」 p・64~p・66より抜粋)
以下はイースター島の位置 (Wikipediaイースター島)より

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