天の川銀河を航行する「太陽 の舟」



2012.08.19
前回の記事・・・太陽系が置かれている状況についての内容については、私自身は以前に読んで知っていたのですが、今また新たに引用したわけは、今回の記事を書きたいからでした。
先日、古代エジプトの「太陽舟」について調べていたら、偶然以下のような記述に出会いました。
まずは太陽神ラーと、その舟の話から・・・(以下の文章で、太陽神ラーとは太陽だと考えて読んでみてください。)
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
太陽神ラー(RE)について
ヘリオポリス(ギリシャ語で太陽の都という意味)で崇拝されていた神のことです。
宇宙的世界を創造した原始の絶対神で、無秩序な混沌とした宇宙に最初の光・・・アテム(アトゥム=ライオン・・・獅子座の時代の太陽のことだと考えられる)として現れました。

太陽神ラーの舟

神々の父の太陽神ラーは聖舟ウィアに乗り、太陽と共に毎日天と地を巡ります。
昼はマァジェト(マンデト)、夜はメセケテト(メクセト)と呼ばれる舟が天と地を流れる川を漂っていきます。
(注・G・ハンコックらの研究によると、古代エジプトでは「同じものが天にも地にもある」という二重性の思想があり、「川」は地上ではナイル川ですが、天では天の川(銀河)を指すと考えられるというのでここに当てはめてみると、これは銀河を航行する太陽のことを言っているのではないかとも思えてくるのです。)
朝の舟マァジェントには、眩しく輝く太陽神ラー(頭がスカラベの形をしているのがそれです)、とその記録係のウェネブ、正義の女神マアト、叡智の神ジェフティ(トト)、舟の舵を取るヘル(ホルス)が乗っています。 (いずれもゼプ・テピと呼ばれるエジプトの最初の黄金時代にいたとされている神々です。)
夜の舟はメセケテトと名を変え、夜の死者の国を通過していくのです。・・・・・・
死者の国はウシル(オシリス)が支配しています。憂鬱な死者の国を通過するうちに、太陽神ラーは衰えて死んでしまいます。
しかし、途中で待ち構えていたケペル(スカラベ)が太陽神ラーの骸(むくろ…遺骸のこと)に憑依して太陽神ラーを再びよみがえらすのです。
古い太陽神ラーが新しい太陽神ラーに変身したのです。
これが太陽神ラーの旅で、このことは毎日繰り返し行われています。
時代が流れ、太陽神ラーの旅には死者が同行するように変化したという説があります。

(太陽神の夜の旅には羊の頭をしたクヌム神が同行する。)
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
古代エジプトの創世神話では、「かつて世界は天もなく地もなく、真っ暗闇で、見渡す限り形のない混沌とした海だった。最初の神であるアトゥムだけが、立つところも座るところもなく、じっと動くことなく存在した。その原初の海は、古代エジプト語で「ヌン」と呼ばれた。」とありますが、
これは、一般的には最後の氷河期の終わりで氷が解けだした時期だと解釈されている紀元前1万1000年前ごろの、大洪水その他の天変地異によって「混沌」に逆戻りしてしまったこの世界、つまりは大洪水によって地上が海に覆われてしまった状態を指しているのではないかと私は考えています。

この大変動により「真っ暗闇で、形のない混沌とした海」と化した世界のことを、エジプト人は「混沌」と呼んでいた、と考えると、過去記事もより分かりやすくなると思います。→「混沌を防ぐ」・・・ピラミッド・テキストに秘められた思想
ところで、この原初の海が真っ暗であったことを考えると、この古代の大変動期には太陽の光は少なくとも地上には届いていなかったことがうかがえるのです。
また、太陽神ラーが蛇のように上下運動を繰り返しながら銀河の公転軌道を航行しているところを想像してみると、「夜の死者の国」が銀河の赤道平面ではないかとも思えてくるのです。なぜなら、「そこを通過するうちに、太陽神は衰えて死んでしまう」とあるからです。
その後、どれ位の時の経過があったのかわかりませんが、やがて「太陽神ラーは再びよみがえり、古い太陽神が新しい太陽神ラーに変身する」とあります。
そして太陽神ラーが「無秩序な混沌とした宇宙に最初の光・・・アテム(アトゥム)として現れました。 」というくだりについては、洪水後に初めて現れた(獅子座の時代の)太陽をさしているのではないかと思えるのです。この新しい太陽がよみがえった時代が今日の私たちの文明がはじまった、マヤでいう「第5の太陽の時代」なのではないでしょうか?
この世界が真っ暗になり、地上が大混乱を極めたあと、再び世界に明るい光がよみがえったとき・・・それはどんなにありがたく、また待ち望まれた状態であったことでしょう。人々はきっとこれらの経験を通して、太陽の必要性を痛いほど感じたに違いありません。
太陽の暖かい光とエネルギーがなければ草木も育たず、動物もえさがなくなれば死に絶えることでしょう。そうすれば、当然人間の食べるものもなくなってしまいます。
そして、何より私たちの住む太陽系の中心である太陽に異常があっては、地球上の生命の存続さえ危ぶまれます。
太陽の正常な運行と暖かい光がなければ私たちは安心して生きていけないということを、これほど痛切に感じた人々の時代はなかったことでしょう。
それゆえ、古代世界のあちこちで、「太陽神」信仰が生まれたのではないかという気がするのです。

太陽神ラーへの賛歌
アニの「死者の書」扉絵。「安定・持続」の象徴ジェド柱の上に、生命の象徴アンクが立ち、両手で高々と日輪を掲げている。両脇には守護女神が座し、ヒヒたちが日の出を礼拝している。
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先日、古代エジプトの「太陽舟」について調べていたら、偶然以下のような記述に出会いました。
まずは太陽神ラーと、その舟の話から・・・(以下の文章で、太陽神ラーとは太陽だと考えて読んでみてください。)
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太陽神ラー(RE)について
ヘリオポリス(ギリシャ語で太陽の都という意味)で崇拝されていた神のことです。
宇宙的世界を創造した原始の絶対神で、無秩序な混沌とした宇宙に最初の光・・・アテム(アトゥム=ライオン・・・獅子座の時代の太陽のことだと考えられる)として現れました。

太陽神ラーの舟

神々の父の太陽神ラーは聖舟ウィアに乗り、太陽と共に毎日天と地を巡ります。
昼はマァジェト(マンデト)、夜はメセケテト(メクセト)と呼ばれる舟が天と地を流れる川を漂っていきます。
(注・G・ハンコックらの研究によると、古代エジプトでは「同じものが天にも地にもある」という二重性の思想があり、「川」は地上ではナイル川ですが、天では天の川(銀河)を指すと考えられるというのでここに当てはめてみると、これは銀河を航行する太陽のことを言っているのではないかとも思えてくるのです。)
朝の舟マァジェントには、眩しく輝く太陽神ラー(頭がスカラベの形をしているのがそれです)、とその記録係のウェネブ、正義の女神マアト、叡智の神ジェフティ(トト)、舟の舵を取るヘル(ホルス)が乗っています。 (いずれもゼプ・テピと呼ばれるエジプトの最初の黄金時代にいたとされている神々です。)
夜の舟はメセケテトと名を変え、夜の死者の国を通過していくのです。・・・・・・
死者の国はウシル(オシリス)が支配しています。憂鬱な死者の国を通過するうちに、太陽神ラーは衰えて死んでしまいます。
しかし、途中で待ち構えていたケペル(スカラベ)が太陽神ラーの骸(むくろ…遺骸のこと)に憑依して太陽神ラーを再びよみがえらすのです。
古い太陽神ラーが新しい太陽神ラーに変身したのです。
これが太陽神ラーの旅で、このことは毎日繰り返し行われています。
時代が流れ、太陽神ラーの旅には死者が同行するように変化したという説があります。

(太陽神の夜の旅には羊の頭をしたクヌム神が同行する。)
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古代エジプトの創世神話では、「かつて世界は天もなく地もなく、真っ暗闇で、見渡す限り形のない混沌とした海だった。最初の神であるアトゥムだけが、立つところも座るところもなく、じっと動くことなく存在した。その原初の海は、古代エジプト語で「ヌン」と呼ばれた。」とありますが、
これは、一般的には最後の氷河期の終わりで氷が解けだした時期だと解釈されている紀元前1万1000年前ごろの、大洪水その他の天変地異によって「混沌」に逆戻りしてしまったこの世界、つまりは大洪水によって地上が海に覆われてしまった状態を指しているのではないかと私は考えています。

この大変動により「真っ暗闇で、形のない混沌とした海」と化した世界のことを、エジプト人は「混沌」と呼んでいた、と考えると、過去記事もより分かりやすくなると思います。→「混沌を防ぐ」・・・ピラミッド・テキストに秘められた思想
ところで、この原初の海が真っ暗であったことを考えると、この古代の大変動期には太陽の光は少なくとも地上には届いていなかったことがうかがえるのです。
また、太陽神ラーが蛇のように上下運動を繰り返しながら銀河の公転軌道を航行しているところを想像してみると、「夜の死者の国」が銀河の赤道平面ではないかとも思えてくるのです。なぜなら、「そこを通過するうちに、太陽神は衰えて死んでしまう」とあるからです。
その後、どれ位の時の経過があったのかわかりませんが、やがて「太陽神ラーは再びよみがえり、古い太陽神が新しい太陽神ラーに変身する」とあります。
そして太陽神ラーが「無秩序な混沌とした宇宙に最初の光・・・アテム(アトゥム)として現れました。 」というくだりについては、洪水後に初めて現れた(獅子座の時代の)太陽をさしているのではないかと思えるのです。この新しい太陽がよみがえった時代が今日の私たちの文明がはじまった、マヤでいう「第5の太陽の時代」なのではないでしょうか?
この世界が真っ暗になり、地上が大混乱を極めたあと、再び世界に明るい光がよみがえったとき・・・それはどんなにありがたく、また待ち望まれた状態であったことでしょう。人々はきっとこれらの経験を通して、太陽の必要性を痛いほど感じたに違いありません。
太陽の暖かい光とエネルギーがなければ草木も育たず、動物もえさがなくなれば死に絶えることでしょう。そうすれば、当然人間の食べるものもなくなってしまいます。
そして、何より私たちの住む太陽系の中心である太陽に異常があっては、地球上の生命の存続さえ危ぶまれます。
太陽の正常な運行と暖かい光がなければ私たちは安心して生きていけないということを、これほど痛切に感じた人々の時代はなかったことでしょう。
それゆえ、古代世界のあちこちで、「太陽神」信仰が生まれたのではないかという気がするのです。

太陽神ラーへの賛歌
アニの「死者の書」扉絵。「安定・持続」の象徴ジェド柱の上に、生命の象徴アンクが立ち、両手で高々と日輪を掲げている。両脇には守護女神が座し、ヒヒたちが日の出を礼拝している。
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